家は焦らずにゆっくりと選びましょう


今年は「新築住宅」の建築状況を知る機会が多くあり、驚くことが多い一年でした。と、同時に賃貸に住んでいるのが、いかに気楽であるか…も知る一年でもありましたね。

さて、そうはいっても家が欲しくなることもあるかもしれませんしね。自分が建てる時はどうすれば良いかと考えると…建築の知識がある人は自分で設計して、工事監理するのが、やはり良かろうと…改めて思う反面、そういう人は数少ないのが現実です。どうすれば一番良いのか…

建売を買う場合は、(建売以外も同じですが)根本的に一番大事な点は、そもそも家より「場所」ですよね。

家は建て替えれますが、土地は取り替えてくれません。買いなおしのハードルが家と同じとしても、近所で出来たコミュニティーなど人間的なつながりは買えませんし。

住み慣れた場所というのは、自分の中の生活リズムなど、精神的な生きやすさなどが含まれ、慣れてしまえばその地域への愛着も沸いてきますしね。

年々思うのは家そのものより、まずは、気に入った場所を探すのが何よりも大事に思えます。

ですから、今まで知らなかった土地の方が自分に合う可能性もあります。家を買うまでの若い時に、転々と転勤することも、とても良いことなのかもしれません。世界を知らずに今の場所が良いなんてトートロジーになっているかもしれませんし。色々を知って、そのうえで故郷の良さや自分が求める場所を再認識すれば地域も良くできるかもしれませんしね。

さて、次に家を建てる時や買うときに、注意しないといけないのは、まずは最低限の保障であるその家の「確認申請」と「検査済証」を「1式」きっちりともらうことですね。

ただし、残念ながらコレあれば安心というわけにはいかない現実があります。

建築業界でいう言葉の中に「4号もの(特例)」と言われるのが普通のおうちです。建築士が設計・監理したものは、そもそも申請自体が大幅に省略され、検査項目もびっくりするくらい省かれます。これが4号特例の検査の現実です。

法を満たしているから大丈夫というのは、制度上、すべての建築士が機能すれば、おそらく一定の品質が担保されるはずです。理論上は…

大阪や神戸の地方の普通の人の場合、ローンを組むのが2000千~3000千万円程度が多いかと思います。土地代1500万+家1500万で作る必要がある中で、家を1500万円という安価な値段で作るのに設計や工事監理への建築士への報酬が十分に含まれている例は、残念ながら少ないのが現実でしょう。

建売の設計など、1式いくらの報酬では設計・申請費の他に「現場監理分」をまともに捻出できない設計者が多いのが現実。受けた以上はプロの仕事をしろ!とは言いたいところですが一般の社会と業界の社会の遊離を感じる点でもありますね。

とくに今までは優秀な職人がなんとか業界を支えてきましたが、多様化する工法や現場・工務店毎に異なる発注仕様(くぎは大工持ちか工務店支給かなど)、各地の条例などを知らないなど、細かな相違から施工ミスも残念ながら増える一方に進んでいるような気もします。

これらを管理する工務店も検査・監理する建築士も機能不全に陥っているのが現状だと思えます。

では、どうしようもないのかといえば、リスクを少なるする点として「住宅瑕疵担保責任保険 まもりすまい保険」に入っている家は比較的、きっちりと検査をしているように思えます。

理由は柱・梁などの金物などを比較的きっちり検査しますし、検査で指摘があると費用を大工持ちで直さなければならない例も多く、通常の建築基準法で決められた最低限の審査「確認申請」、最低限の検査「検査済証」より施工者側の危機意識というか、現場管理・監理がいきわたっているように感じます。

また、建築基準法は、そもそも、国民の最低限の生命、財産を守る法律なので、大きな地震時には倒壊さえしなければ破損はしてもよいという内容です。よって結構な家の破損がされることも許容している法です。

おそらく、一般の人と業界の人はこの辺の認識が大きく相違していると思いますが、「住宅性能表示」という制度で評価された家の中には、安心が買える家がいくつかあります。

見分けるポイントは「建設評価で耐震性・3等級」の家を買うことです。
設計時は設計評価、施工の検査をしたものを建設評価になりますが、たまに設計評価しかとっていない家があります。

これは贈与税の特別枠など税控除を受ける際には「設計評価だけでもよい」ので、お金がかかる建設評価をとっていない工務店が一部あります。が、私から見れば全くナンセンスですね。現場検査をきっちりやってこその評価としてほしいものです。

耐震3等級は、建築基準法で定められた最低限の基準に対して1.5倍の耐震性があります。鉄筋コンクリート造でこれをすると、とても大変なことになる例もありますが、木造住宅では上手に設計をすれば比較的安価で設計できます。これは設計者としても腕の見せ所ですので差が生じる箇所ではないかと思います。お住いの人も避難所に行かなくても良い家の方が助かりますよね。

さらに建設評価であれば、普通よりも検査項目もあり安心感を買える割には安価な値段設定を各検査機関がされていますし、地震保険が半額になるので無駄ではない(逆にプラス)と思います。

施工不良でもめた場合も紛争処理の仕組みがあります。

ただ検査はまさしく人が行うものですので、検査機関によって、結構な違いがあるのも残念ながら現実です。全国を営業拠点にしている大臣機関の検査機関が一概に良いともいえませんし、かといって地方に根付いている機関でも…。

これから家を建てる方は、検査機関を指定してもよいとは思いますので、少し近所の検査機関に出向いてお話を聞いてもよいのではないかとさえ思いますね。工務店や建築士にとって検査を安易に通してくれるところより、施主が安心できる機関であることが大事な点ですからね。

建売の場合にはちらしにアピールとして記載されています。数字の前に審査・検査をした機関の略号が乗っていますので、まずはネットなどで評判を調べてみてはいかがでしょうか。

最後に、大きな勘違いとしてよくあるのが、施工不良・施工瑕疵(かし)と違法建築をごっちゃにしていることです。

ドアがきっちり閉まらない、きしみ音がするなど、建付けの悪さなどは、施工不良に当たります。通常の不具合や社会通念所上の危険な箇所なども普通の工務店であれば直してくれます。これらはいわゆる建築基準法の「違反建築」には当たらない。

修理は大体が補修で済ませるものであり、新築だから建て替え要求としても過去の裁判例から認められることは非常に困難です。

35年の生涯ローンなど重い負担に対する気持ちがあるので過剰要求が多いようにも感じますね。業法違反でカリカリ言う事態になるより、設計者選びから始める注文住宅では、音など過敏な方は自分の要求事項を記載した契約書を作成してみてはいかがでしょうか。

それであれば民事的な法的拘束力が明らかですし、現場監理もしっかりしてくれます。もちろんお金もしっかり要求されますが、リスクが一番少なく、幸せな家を手に入れることができると思います。

一括ゼロのタダ監理で建てている家ほど、怖い家はないです。これらの家は良い大工さんに当たるか手の良くない大工さんに当たるか一か八かの運次第です。

このような家に生涯ローンを組ませる業界を作ったものだ。とも思います。大工さんが皆、素晴らしかった過去に未だに縛られている業界自体を再構築していただきたいところですが、品確法など少しづつ再制度を行っているのが今という時代でしょうか。

不確定な場合は、とにかく正方形、立方体に近い形の家を買うべきです。
とくに建物の四隅が壁であり、建具やガラス張りの家や2階が張り出している家、車などのピロティがある家は避けるのが無難でしょう。異形な家で不十分な設計・施工はとても危険です。

はっきり言って、水回りやフローリグやクロスなどの内装なんて、改装は結構容易ですが構造部や耐火性の欠陥は補修がとても困難です。

逆にマンションなどのコンクリート造は構造計算や避難・防火の検証はされています。が、悪い点をあえて言えば、耐震性はほぼ基準法ギリギリばかりです。給水などもストップするので仮に電気が復旧するまではエレベーターやお水の運搬も自分で行う必要があり、避難所生活は避けられない場合もあります。火事の際に逃げるのも現実にはとても大変な状況になります。さらに一人暮らしの方がお隣の場合の問題もあります。

どのような家でも良しあしがあります。自分が気になる点もそれぞれでしょうし、気に入った地域も人それぞれ。普段の便利さや病院、学校の近くが良い人もあれば、自然が豊かな公園の近くが良い人もいるとは思います。

まずは自分が大事にしたい地域が見つかれば、家を選んで買うのも悪いことではないような気もしますね。安心を感じる家も現実にあることも知った1年でもありましたので、気に入った地域や故郷の再認識が出来た方は、あせらずに家を探してみればいかがでしょうか。