ストレスと病気

 健康とは、「身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあること(WHO憲章,1949)」である。よって、病気と称される健康の外にある人(不健康)には、心理面、社会面も含めて総合的にみていこうとする全人的医学(心身医学)が必要な場合がある。
明確な身体的疾患ではない不健康の患者は、多かれ少なかれ心理社会的な問題が関与している。その場合は、全体として診ていく必要性がある。

 発現している病状が身体症状が主の内科系疾患の一例として、過敏性の腸障害(腸炎的)など、緊張を伴うストレス下で体が不具合を起こすことがある。他にも理由の95%が不明確な本態性高血圧、アレルギー以外の気管支喘息、胃十二指腸潰瘍はストレスでなり易く、バセドウ病もショックな出来事の後に発症したりする。

 内科系以外では、小児科のチックやIBS、皮膚科の円形脱毛症やアトピー、腰痛症、ED、更年期障害、眼精疲労、めまいなど多様な症状が心理面から影響を受け継続的に発症する病状である。治療には心身両面からの治療が必要である。

 このようなストレスによる病気である心身症は、元々具体的な病気や身体に弱いところがあり心理要因によって発症するが、身体的に要因がなく心因性により生じ、一過性で社会不適応な状態として神経症がある。


 神経症の具体的な一例では、不安神経症(パニック障害など)、強迫性障害、ヒステリー(転換性障害など)、抑うつ神経症(気分障害など)がある。このようにストレス原因になるストレッサーは、行動・心、身体にも不具合を生じさせる。


 これらの治療として、自分をコントロールする手法がある。催眠療法から発展した自律訓練法や認知療法と行動療法を組み合わせた認知行動療法、交流分析などである。


 リラクセーション反応(ハーバード・ベンソン、ハーバード大)により交感神経の活性化の低下によるリラックスが有効である。

 リラクセーション反応の基本要素(共通項)として、①静かな環境、②心を向ける対象(具体的例としてヨガでの音楽や念仏での木魚など)、③あるがままの受身の態度、④楽な姿勢がある。方法としては、自律訓練法や筋弛緩法、ヨーガ、瞑想法、座禅などがあり、これらによるリラックス効果として整理的変化(呼吸数、心拍数、血圧、α波の増加、筋緊張の低下がある。