読書メモ 『マイケル・サンデルが誘う「日本の白熱教室」へようこそ』
◆SAPIO編集部編(2011)『マイケル・サンデルが誘う「日本の白熱教室」へようこそ』 株式会社小学館
P18 サンデル「講義でも私の著書でも、私が目標としているのは、学生たちを倫理探索の旅(Journey of Moral Exploration)に誘うことにある。
「私は講義や著書の中でまず、著名な哲学者たちの考え方について紹介し、説明している。しかし、学生にはそうした考え方について、“自分で”検証するように勧めている。『倫理とはなにか』『正義とは何か』をめぐって意見の分かれている事例に、哲学者たちの考え方を当てはめてみるように促している。
現実の社会で現在の悩みを当てはめ実学に活かすことが学問であるように感じた。
千葉大学 小林正弥
P30 「サンデル教授は『功利主義』の考え方が必ずしも正しくないことを説明しているのです。このような対話型の方法はソクラテスの時代から哲学では非常に重視されています。
「私の大学にも普通の主婦から『私はコミュニケーションが苦手なのですが、“ああいう講義に参加できたら、自分もうまくコミュニケーションできるのではないか”と思いました』などと電話がかかってきました。日本人の多くは、大学でほとんど一方的に教授が話す形式の講義に慣れていますから、こうした対話型の講義がショッキングであると同時に、非常に新鮮に感じたのではないでしょうか。
P41 サンデル「“センシティブな問題について、話し合ったが、われわれは、十分に議論できることがわかった。意見が違ってもお互いが耳を傾けて学びあうことが大切だ。」
耳は2つで口は1つ。人間の体には必要なモノほど多くあることに気づくコメント。
慶応義塾大学 樫尾直樹
P56「君たちの結論が悪いと言っているわけではない。君たちの結論は個人主義、自己決定の立場に立ったもの。もう少し社会に対するアンテナを張った方がいいんじゃないのかな」
学生たちが「私は騙されるとは思わない。だから危険じゃない」という結論の出し方をしたことに疑問を投げかけている。
P57「できるだけ学生が普段使っている言葉で定義してもらいたい。ウェーバーがどうだとか、デュルケムがどうだとか出てこなくていい。学生が独力で考え、プレゼンをしながら、自分たちで定義を確立していくというプロセスが大事なんです」
早稲田大学 原孝
「『風で強い草がわかる。雪で強い木がわかる。挫折して人がわかる』というのがあります。上手くいかない時にこそ、人間の品格や本質が培われる。結果が出ないと時のプロセスが、人間を鍛え上げていく。」
「われわれは働くという意識が大事であって、どこで働くかじゃない。どう働くかだと思う。」
「僕らは生まれたその時から『死』に向かって、大きな1つの時間を生きている。ところが残念ながら、日本は平和だから、『この時期は受験だけ、この期間は国家公務員試験だけに集中する』といった具合に、本来の大きな一つの時間と言う意識を持たずに、細かく輪切りした『一つひとつの時間』を生きてしまっている。これはあまりに狭い結果主義へのこだわりです。将来の就職や職業選択というある1点にのみ重点を置きすぎて、学生である『今』を軽視している。」