動機付け理論(概要)

心理学◆動機付け理論(概要)

動機付け理論(概要)

「アメリカの心理学者Dweckは、能力帰属から努力帰属への転換の重要性を成功群(S.O 群)と再帰属群(A.R 群)の帰属療法から示した。

これは、学業不振児(小学校5 年生)における実験で(S.O 群)に成功体験のみ与えることにより要求水準を上げようとしても本人に出来たという感覚(誇り)が持てなければ学業不振から脱却できない。

(A.R 群)は、成功するまで失敗は一つのプロセスとして認識させた。一時的な失敗として能力帰属から努力帰属へ変化させ学業不振を脱却するとして示された。

また、失敗経験から「自分は能力がない」と学習すると学習性無力感(無気力)になる為、自らの行動に対して環境が変化(反応)を得る効力感が必要である。

Dweck は、能力を内的で相対的な判断として安定的なものと捉え帰属を示している。しかしながら、能力は絶対評価では成長と共に変化する。人間は成功より失敗が多い。能力に自信がある人より無い人の方が多い。目標とする認知を変えるだけで無気力化に対する予防になるといえる。

White も環境を変化できる能力・自信のコンピテンス(有能感)を動機付けとする結果期待の効力感(フィーリングオブエフカシー)を説明している。

対してBundura は、従前から重要視されていた「行動からの結果」を考えるのではなく、人の行動を起こすまでが重要と考えた。結果を求めず行動による自己効力(セルフエフィカシー)を重要視する考えを示した。これは、迷路学習で示されるように学習は試行錯誤と報酬に左右されるわけではなく、行動を起こさなくても学習をしており(観察学習)行動の出現が大事と捉えた。

近年、この行動を起こす動機付けで重要な考えは自己決定を行うことであるとされる。

Deci&Ryan は、社会生活において自己決定できることは少ない。与えられていることや嫌なことでもしようとする自己決定傾向を持つことはやる気のある傾向といえる。

必須と自己選択ではモチベーションが変わるが社会は全て自己選択して決定できない。自分自身で解釈のし直しをすることが大事であり、これは内発的動機付けが重要と言える。

自己決定の関係は、好奇心から楽しいから行動する。行動することが目的であり報酬は不要である。この行動を自ら自己決定をしているものと定義している。

Lepper の幼児への実験によると、この自己決定をしている行動に報酬を加えると報酬が目的となり“興味が割り引き”される(アンダーマイニング現象)原理が働くので注意が必要だと指摘している。

これらの行動の基になる“やる気”をのばす方向付けは、成績の達成度(達成動機)を褒めるのではなく一生懸命に行動した努力(親和動機)を褒めたり、認めたりすることが非常に重要ということである。

これら行動の効果を押し上げる方法の研究として、Hurlock は、賞賛を与えると成績が伸びる行動に移るとし、次に叱責として賞罰についての効果を実験証明した。これら単純な賞罰の効果実験だけではなく、個人のもつパーソナリティを考慮した賞罰に効果があるデータも示されている。

外向的性格の子供には罰(しかる)を行い、内向的な子供には賞賛(褒める)を与えると効果がある。逆に外向的な子供に賞賛を与えると調子に乗り、内向的な子供に罰を与えると益々内向的になることから良い行動を促進する方法とは言えないデータである。

また、言葉による社会的賞賛は、価値的要求(社会的動機)が満たされるので更なる行動に移ることが想定されるが、罰の場合は更に強い動機が沸き向上への行動サイクルに移る子もいれば全く別の行動に移る子もいる。

賞賛とは違い罰には複雑な行動結果になる為に注意が必要とされる。この言葉での「褒めるしかる」はDeci によると自らの行動の判断材料とする情報(賞賛=正解として○、罰=不正解として×)として認識される時には有害ではないが、褒められることが目的で行動を行っている外発的な場合には、効果がないとされる。子育て過程において、社会的不利益を生じない行動を習得させるには、子供の認知や性格を考慮した賞罰が必要である。」